前回同様、またまた鉄道関連のブログですが、鉄道マニアなHP担当の私の
内容としてお許しください。
さて、2022年9月23日に西九州新幹線(長崎新幹線)の一部区間が開業しました。
名前は「かもめ」
現段階の運用形態としては、長崎駅-武雄温泉駅間が西九州新幹線区間となり、
武雄温泉駅に到着すると対面乗り換えで在来線特急「リレーかもめ号」が接続して
おり、迷うことなくすんなりとリレーかもめに乗り換え博多まで向かいます。
【車両はN700S】
車両はJR東海でお馴染みのN700Sとなり、かもめ用としてアンダースカート部が
赤色の帯となりノーズ先端にはかもめマークが搭載されております。
その他にも随所にこだわりの仕様があるのですが、東海道新幹線のように16両編成
ではなく6両と短い編成となっております。
まあ、鉄道系ユーチューバーの方がこぞって動画にしていらっしゃるので、ここで
詳しい内容は省略しますが・・・。
【一部区間の開業へ】
しかしながら、現在の区間は武雄温泉駅-長崎という66kmと短い距離で、新大村、嬉野温泉を通過する最速車両で23分で結ぶようです。流石にこの路線は整備新幹線ということもありますし、まだ一部開業ということありN700Sのフルパワーで走行はしません。駅間が短いというのもあるのではないでしょうか?
ところで、何故にこの短い一部区間での開業となったのでしょうか?そして、何故現在の
乗り換えをしなければならない状況になったのでしょうか?
いろいろ複雑な事情を抱えているようですが、この西九州新幹線が通る区間の
佐賀県が難色を示しているというのを記事で見ました。
【並行在来線問題】
西九州新幹線かもめはフル規格の新幹線ですので、新たにフル規格新幹線用の線路(高架区間)を建設し佐賀県内を通り博多駅に向かうのですが、そうなるとその区間を並行して走行する従来の在来線区間が無くなってしまうのではないか(廃線)という問題。
新幹線を利用するお客様が多くなり、元々あった在来線区間にを利用する方が激減し、採算の取れない並行在来線は廃止する可能性もあるのかもしれません。
JR側も民間企業ですので、採算がとれず赤字になる路線や区間は廃止したいという考えもわかります。
【ミニ新幹線の存在】
どうやら様々な案の中には、山形新幹線や秋田新幹線の実績も踏まえ、ミニ新幹線方式ではどうか?という案やフリーゲージトレイン案というのも出ていたようです。
【線路幅の違いとミニ新幹線のサイズ】
しかしながら、新幹線と在来線は同じ線路を走行することが出来ません。これは線路幅
の問題で、新幹線の線路幅はフル規格「標準軌」の1435mm・在来線の線路幅は「狭軌」の1067mmとなり線路幅が大幅に違うので同一線路を走行することは出来ません。
じゃあ、なんで山形新幹線や秋田新幹線は在来線の線路を走行しているの?と
疑問に思う方がいらっしゃると思いますが、山形・秋田新幹線はフル規格の新幹線
ではなく、ミニ新幹線という規格で新幹線の路線から在来線の線路に移り走行
しますが、在来線の駅ホームにフル規格の新幹線が入線することは出来ません。
これは、新幹線の大きさ(幅)は在来線の車両幅より大きいため、在来線の駅ホーム
にはこの問題から対応できないということです。その問題を回避するために、山形・
秋田新幹線はフル規格の新幹線より大きさを小さくし在来線の線路を走行し駅にも
問題なく停車出来るように設計されています。
次に線路幅ですが、これは山形・秋田の両新幹線が走行する在来線区間は、それぞれ
線路幅を元々の狭軌から標準軌に変更し、その区間を走る在来線も狭軌幅用ではなく
標準軌幅に対応した車両が運行されています。ということで、山形新幹線も秋田新幹線
も新幹線を名乗りながら在来線も走行するので在来線特急として運行しています。
なんとも複雑というかあいまいというか・・・。
【リーゲージトレインでは?】
【※フリーゲージトレイン(軌間可変電車)とは、軌間(線路幅)に合わせて車輪の左右間隔を変えることができる電車です。 新幹線(標準軌)区間を走ってきた車両が軌間変換装置を通過することにより在来線(狭軌)に乗り入れでき、乗り換えの手間がなくなり所要時間を短縮させることができます。】(※国土交通省四国運輸局説明引用)
上記のフリートレインは画期的な技術と方式かとは思いますが、まだ試験段階で在来線区間での速度で可能であり、高速走行する新幹線区間では現段階の技術では安全面や技術面でクリアすることは難しいという結論に至ったのでしょうね。
【フル規格線路を建設での莫大な費用負担の問題】
フル規格として線路を新たに作ると費用が膨大となり、その一部費用を負担する佐賀県にとっては重くのしかかる問題。
上記の内容も踏まえ、佐賀県としても通勤通学や沿線住民の利用がある区間を廃止して欲しくないので、新にフル規格線路を新設するのではなく、負担費用も抑えた在来線線路を活用する方法を選択し既存の在来線を生かして欲しい。具体的な理由等は様々あるかもしれませんので一概には言えませんが、そうなるとミニ新幹線方式を推すのもわかります。
この考えも納得ですので、難色を示している佐賀県の考えも理解できますし、あくまでも
私的な考えですが、佐賀県がメインの新幹線ではなく長崎県がメインなのに、何故自分たちが大きな負担を強いられるの??と考えるのも当然なことだと思います。
【折り合いがつかない】
上記の様々な案の中でも、やはり西九州新幹線はフル規格車両なので全線フル規格で建設という考えと、ミニ新幹線にでの運行でという双方の考えが一致せず、その他のフリーゲージトレイン案も消え、その他いくつか案があったようですが、どれも実現には至らず、なかなか折り合いがつかない中での今回の一部区間開業となったようです。
【まとめ】
ただ、新しい新幹線が開業したことはとても喜ばしいことですし、博多-長崎間が
大幅に時間短縮されることは良いことだと思います。新しい新幹線が出来ると沿線等は
活性化することも大いに期待できます。
今後、両者との間で納得でき円満に解決策を見出し、全線開業となって欲しいと願うばかりです。私もいつか機会があればこの西九州新幹線かもめに乗りに行きたいですね。
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